生涯、真の父母様に侍り、天の摂理とみ旨のために歩まれた神山威先生が、2016年12月12日に聖和されました。「毎日わずかな時間でもいいので、み言を訓読してください」という先生の遺志を受け継ぎ、これまで通りみ言を配信してまいります。
貧困と飢餓を賢く解決する方法
自叙伝 P.316
全世界を巡回して感じる最も差し迫った危険は食糧問題です。食糧問題こそ一時も先延ばしできない問題です。今も私たちが生きている世界では、1日だけで4万人が飢えて死んでいっているのです。自分のことではない、自分の子供のことではないと知らないふりをしていてはいけません。
単純に食べ物を分け与えるだけでは飢えを解決することはできません。より根本的な視角から接近しなければなりません。私は二つの根本的で具体的な方案を考えています。一つは、安い費用で食べ物を十分に供給することであり、もう一つは、貧困に打ち勝つ技術力を供与することです。パンよりもパンの作り方を教えることです。
人類の飢餓問題を解決しようとすれば、種を蒔く心がなければなりません。種は土の中に蒔きます。目に見えない土の中で発芽して芽を出すまで、忍耐して待たなければなりません。飢餓問題も同じです。食べる物がなくて死んでいく人に一握りのパンをあげるよりも、当面は苦労して日の目を見なくても、小麦を植えて収穫しパンを作る技術を教えなければならないのです。そうしてこそ、より根本的で持続的に飢餓を解決することができます。私たちは今からでも、飢餓で苦しむ地域の風土と土、人々の気質を共に研究しなければなりません。
人類の飢餓問題を一度に解決できる画期的な方法はありません。国ごとに人々の食生活と習慣が異なり、また育つ動植物が異なるからです。大切なことは隣人に対する関心です。自分がおなかいっぱいご飯を食べるとき、誰かおなかを空かせている人がいないか見渡すことのできる心を持つことが肝要です。人類が飢餓問題を解決しなければ、この世界に本当の平和はありません。
食糧問題は、今後人類に非常に深刻な危機をもたらすでしょう。なぜならば、限りある陸地で生産されるものだけでは地球上の人類をすべて食べさせることはできないからです。ですから、海にその解決策を見いださなければなりません。海は未来の食糧問題を解決できる鍵です。私が数十年前から絶えず海を開拓してきた理由もここにあります。食糧問題を解決しなければ、理想的な平和世界を建設することはできません。
海の中には無尽蔵の食糧がありますが、人類を食糧問題から救う最も優れた鍵は「養殖」です。都市の高層ビルのように、これからは魚を養殖するビルができるでしょう。パイプを利用すれば、高いビルや山の上でも養殖をすることができます。養殖で全世界の人をすべて食べさせて余りある食糧を生産できるのです。
食糧を直接援助することと同じくらい大切なことは、食糧を自給できる技術を普及することです。技術力を普及するためには、後れた地域に学校を建てて、文字の読み書きができない人をなくすと同時に、技術学校を建ててそこで食べて生きていけるだけの実力を育てなければなりません。
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