今日の訓読のみ言友の会

生涯、真の父母様に侍り、天の摂理とみ旨のために歩まれた神山威先生が、2016年12月12日に聖和されました。「毎日わずかな時間でもいいので、み言を訓読してください」という先生の遺志を受け継ぎ、これまで通りみ言を配信してまいります。

21世紀の宗教が最終的に目指すもの (10月4日)

Oct.4.2016 今日の訓読のみ言

21世紀の宗教が最終的に目指すもの

自叙伝291

 

 20世紀は激動の世紀でした。過去2000年間に起きたことよりも、もっと多くのことが100年の間に起きました。20世紀は、2度の世界大戦を経験し、共産主義が勢いよく広がった後に消えていった世紀です。また、神を捨てて物質に埋没した世紀でした。そうだとすれば、21世紀はどうでしょうか。科学が発達し、もうこれ以上宗教は必要なくなったと言う人たちもいますが、人間の精神世界がなくならない限り、宗教の役割は決して終わらないでしょう。

 

 宗教の目的は何でしょうか。それは神様の理想世界を成し遂げることです。より多くの人を宗教の世界に伝道しようと努力する理由は、より多くの人を神様の民にするためです。すべての人が神様の民になれば、世の中はもはや戦争と混乱のない平和世界になります。究極的に宗教が行く道は平和です。

 

 神様は愛と平和の世界を願ってこの世をつくられました。自分の宗教だけが唯一の救いであると言い張って混乱を引き起こすのは、神様が願われることではありません。神様は、この世界のすべての人が平和と和解、共生のために

一生懸命に働くことを願われます。教会に行くがゆえに家の中に混乱が起きるとすれば、私は躊躇なく家庭を先に守りなさいと言います。なぜかというと、宗教は神様の完全な世界に入っていくための手段であって、それ自体が目標ではないからです。

 

 人類は、分かれた意見を一つにまとめ、衝突する文明の一致点を探し出すでしょう。今後、人類を導いていく思想は、これまでのすべての宗教とすべての思想を皆一つに合わせたものでなければなりません。過去のように、一つの国が先頭に立って人類を引っ張っていった時代はすでに終わりました。民族主義の時代も終わりました。

 

 今のように、宗教と人種を前面に立て、同じ群れどうしで固まる時代が続くとすれば、人類は戦争を繰り返すほかありません。

 

 慣習と伝統を超えなければ、平和の時代は決して訪れることはありません。今まで人間を(あやつ)ってきたどの主義も、思想も、宗教も、来るべき未来の平和と統一を成し遂げることはできないのです。ですから、未来には、仏教も超え、キリスト教も超え、イスラームも超える新しい理念と思想が出てこなければなりません。私が数10年間、宗派も超え、宗教も超えなければならないと、喉が張り裂けるほど主張してきたのも、まさにこのような理由のためです

 

 地球上には200を超える国、地域があり、その国ごとにすべて国境を持っています。国と国の間には、お互いを区分する国境があるのです。国境によって分けられた国々は、永続することができません。国境を克服できるのは宗教だけです。ところが、人々にとって希望となるべき宗教が、数多くの宗派に分かれ、自分たちどうしの争いに躍起(やっき)になっています。自分の宗教、自分の教派第一主義にり、世の中が変わり、新しい時代が開かれることを知らずにいるのです。

 

 数千年間、築いてきた宗教の壁を崩すことは簡単ではありません。しかし、平和世界に行くためには、必ず宗教の壁を崩さなければなりません。教団と教派はつまらない争いを止め、お互いの意見を調整していきながら、一つの世界に向かって進んでいく方法を模索しなければなりません。世界平和実現のための宗教の役割を果たすために、具体的な実践の道へと踏み出さなければなりません。幸福な未来は、物質的な繁栄だけでは成し遂げられません。宗教間の理解、精神的な融和を通して、思想と文化、人種の間の葛藤を克服することが急がれています。

 

 私は、全世界の多様な宗教者に対して、三つのお願いをします

一つ目は、他の宗教の伝統を尊重し、宗教間の紛争や衝突を防ぐよう努力すること、

二つ目は、すべての宗教共同体は互いに協力し合い、世界に奉仕すること、

三つ目は、世界平和のための使命を完遂するために、あらゆる宗教指導者が参画する組織を発展させることです。

 

 右の目は左の目のために存在し、左の目は右の目のために存在しています。また、二つの目は、人間全体のために存在しています。私たちの体の手足がすべてそうです。自分のために存在するものは一つもありません。宗教も、自分の宗教のために存在するのではなく、愛と平和のために存在します。世界平和が成し遂げられれば、もはや宗教は必要ありません。宗教にとっての最終的な目標は、愛と平和に満ちた世の中を現実世界に成就することです。それが神様の御旨です。

One Family Under God! (神の下の一つの家族)」です。神様は唯一のお方であり、人類は兄弟姉妹です。言語と人種と文化の違いはあっても、すべて同じなのが人間です。

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